施設見学報告
2024年8月6日
スタッフ3人に私を加えて4人で久しぶりに就労Bの施設を見学に行ってきた。
ここの施設は今から20数年前に、当時の自立支援法がスタートする頃に地元の経済界の有志が集まって設立したと聞いており、当時、大変な注目を浴びた施設であったと記憶している。
広大な土地に、超大型の本格的な温室3棟を持っており、相当な資金力で、基本財産を用意のうえ、法人を設立し、良好な財政状態と経営成績を維持しており、現在も法人の理事はあらかた地元企業の代表者が加わっている。
この施設は見学者が多くて希望する午前中ではなくて午後2時に訪問することにした。この施設では、見学者も送迎しているという。
早速、事務室のある建物の1番奥の見晴らしが良く新しい立派な広い部屋に通された。この部屋は来客や見学者のためのスペースだと聞いてびっくりした。そのためのスペースを用意できるほど余裕があるのかと思った。
B型事業所としては、1000坪に及ぶ温室の中で花の栽培や地元企業からの受託業務などを行っているが、近年になってあるホテルの朝食を請け負ったことから、平均工賃が28,000円程度だったのがこの仕事によって、42,000円余りまで高めることができたと言っていた。
行事は年6回予定しており、コロナの影響で様々制約があったけれどもなんとかこなしている。4月は花のお祭りをやって多くの地元の人たちをお招きし、来場者は総数1000名位に及ぶ。
余暇活動としてはボーリングやカラオケに連れて行ったこともある。またコロナ前は秋保温泉等に1泊旅行をしていた。また、飛行機で大阪まで行ってユニバーサルスタジオに連れて行ったこともあった。その費用の負担を尋ねたところ、工賃から毎月2000円ずつ積み立ててこのような行事を行っている。
送迎サービスを地下鉄の駅から施設まで行っており、出勤率は極めて高く90%近くなっており、毎日60名近くの利用者が来ている。これに対して支援員その他のスタッフは、30名を配置している。
支援員等のスタッフは、女性が圧倒的に多いため、体格の大きい多様な利用者を支援するにあたって、今後、計画的に男性の支援員を増やしていきたいと言っていた。
施設の運営に利用者の意向が反映するように利用者の自治会を結成している。
利用者は高い出勤率を維持しており、安定して通って来ているけれども、年に1人か2人新規に増える程度にすぎない。
利用者の障害種別は、知的障害のみであり、身体障害や精神障害は受け入れていない。年齢構成は、20代から40代が大半を占めている。
新規の利用者の就労開始にあたっては、花き、企業からの作業受託班、弁当製造販売、施設外就労等の各班を一通り体験して、適性や本人の希望を勘案しながら配属を決めていると説明を受けた。
利用者間のトラブルについて聞いたところ、小さなトラブルについてはほぼ毎日あるので、施設に着く前、バスに乗った段階から不穏な利用者については、支援員がつきっきりになってトラブルを防止している。
利用者間で一緒に働くことができない方については、個別の部屋を用意するような事はせず、簡単なローバーテーションで部屋の一角にいてもらうようにしている。
この法人は認定こども園、障害者のグループホーム、そしてこの就労Bの事業と同時に、日中活動に限定した生活介護を行う多機能型の事業所として運営している。