つじ多のラーメン

 大手町には、さまざまなオフィスビルが立ち並ぶ。いずれも超一流だ。

 それらのビルには、多くの飲食店が出店している。しかも人気店ばかりである。
 今回は、有名なラーメン店の一つであるこの店に11時オープンと同時に行った。
 2005年創業で、つけ麺、味噌ラーメン、坦々麺がウリの都内だけで16店舗を展開している。都内以外には、大阪、神奈川、埼玉、福岡へ店舗展開をし、2011年にはロサンゼルスへ進出している。
 この店は二人がけのテーブルが6つ、あとは15人分のカウンター席である。
 今どきの店は、清潔感が溢れており紙のエプロンも用意しているのが普通だ。
 豚骨と魚介の旨みを同時に追求したという「濃厚豚崩しらーめん」を注文した。麺の茹で方も希望をいえる。トッピングはメンマと刻みネギにした。脂身が多めのチャーシューの他に豚肉を煮崩したものが入っている。肉の量は十分であり、煮卵のトロリ感もまたちょうど良い。さらに薬味として香り高い黒七味が置いてあり、これをふりかけて食べると美味さが際立つ。
 濃厚な豚骨スープ以上に魚介の味が強く出ているようにも感じたが、どんどん行ける。鶏白湯に比べると重く濃厚でありながら抵抗は少ない。ここまでくるとあとはそれぞれの好み次第だ。
 ついつい我慢がならず、最後までスープを飲み干し、一息ついて周りを見たら、カウンターは全て埋まっており、テーブル席もほとんど空席がない。まだ11時半前なのにこんなに混むんだぁ!!

 創業者が、超人的努力で築き上げ、それを標準化して店舗展開をし、さらには人気店とした事業をファンドに売却したうえ、その運営会社の顧問に就任という、今の時代のビジネスサクセスである。
 近頃は、ラーメンの人気がさらに高まってきている。価格帯も千円越えも多くなり、ミシェランに載る店も少なくない。東京駅にも2か所のラーメンストリートがあるほか、駅前のK I T T Eにもラーメン激戦区がある。
 行列が絶えない人気の店舗オペレーションを標準化することによって外国人も含めた人材を確保している。幅広い客の嗜好に合うように複数作り上げた魅力の味をそれぞれにキープしたうえ、一等地に出店し、高価格で提供するという戦略は、確実にペイラインを大きく上回ることができ、さらなる成長を遂げるだろう。

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