土地売買の時価

 時価の金額の2分の1未満で個人から法人へ譲渡した場合には、みなし譲渡の規定が適用となり、時価の金額で譲渡したものとみなされて、譲渡所得税が課せられます。
 また、譲り受ける法人では時価と譲渡価額との差額は受贈益と認定されます。
 所得税法及び法人税法では、土地の売買についての時価については“その時における価額”としか記されていません。
 相続税や贈与税の計算の際に使用される財産評価基本通達というものがあります。ここでは、路線価方式や固定資産税評価額を用いた倍率などの土地の評価方法があります。
 第三者間との売買であれば、時価の問題は生じません。経済的取引として当事者間での合意の価額が時価となります。

 

 客観的・合理的な価額として、次の金額を調べて時価を参酌します。

 

@近隣における売買実例

 

A不動産鑑定士による鑑定評価額

 

B公的な評価金額
・公示価格・・国土交通省が公表。1月1日時点。時価の約90%?80%
・基準地価・・都道府県が公表。7月1日時点。時価の約90%?80%
・固定資産税評価額・・各市区町村1月1日時点。時価の約60%?40%
・路線価・・国税庁が公表。1月1日時点。時価の約70%?60%
・倍率方式・・固定資産税評価金額に一定の倍率を乗じた金額。時価の50%

 

 ただし、3大都市圏特に東京都心では、実勢価格とのギャップが極端に大きいです。また、地方都市では、実勢価格が路線価を下回ることも少なくありません。
 さらに、過疎の進む地方都市郊外では、売買実例がほとんどなく、評価額自体から時価を算定することが困難です。
 これらは、宅地等の場合で、農地や山林の場合はまた別で検討する必要があります。

 

 

 

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