巨大海亀型海上都市
巨大ウミガメ型海上都市「Pangeos」コンセプト発表。
テクノロジー Mobility
2022 Nov 21 転載
奇抜なコンセプトの自動車やヨットなどを発表してきたイタリアのデザイナー、ピエルパオロ・ラザリーニ氏が、とんでもない大きさの巨大船舶(テラヨット)コンセプトを発表しました。
巨大ウミガメ型海上都市「Pangeos」コンセプト発表。最大6万人を収容可能
全長550m、全幅610mというこの船は巨大なウミガメをかたどった形状をしており、実現すれば移動可能な世界最大の浮体構造物になるとのこと。かつて存在した超大陸「パンゲア」になぞらえて「Pangeos」と名付けられています。
これほどの大きさになれば、ひとつの海上都市が構築できます。船体の上にはホテルや別荘、ショッピングセンター、クラブ、公園、港、VTOL用の空港などがあり、甲羅の形をした最大6万人が収容できる構造物の内外に配置されます。
「移動可能な」と言うように、Pangeosはこの巨大な高温超電導(HTS)モーターを9基、合計1万6800馬力を出力する推進ユニットを搭載し、速度5ノット(約9.3km/h)でゆったりと航行するとのこと。また動力源は甲羅の屋上に設置されたソーラーパネルと、大きく広げた左右のヒレの部分に発生する波の抵抗をエネルギーに変える波力発電によって、環境負荷ゼロで無限に航行できると、なかなか怪しげな解説が与えられています。
実際のところ、Pangeosはまだまだコンセプトの域を出るものではありませんが、当のラザリーニ氏はこの巨大ガメを現実のものにする気満々です。しかし必要な予算は約80億ドル、建造にはおよそ8年の歳月がかかると見積もられています。さらにF1サウジアラビアグランプリが開催される街ジェッダの北、キングアブドラ港付近にこの巨大なウミガメを建造する専用の造船所を建設するとしています。
ラザリーニ氏は、その費用を捻出するにあたり、コンセプトを紹介するウェブサイトでクラウドファンディングを開始しました。
このクラウドファンディングではPangeosをまずUnreal Engineでバーチャル空間、流行り言葉で言えばメタバースで構築し、そこに入るためのバーチャルチケットやバーチャル空間内のさまざまな物件をNFTコレクションとして購入できるとのこと。このNFTは実際にPangeosが建造されれば、対応する物件の保証金として機能すると説明されています。
80億ドルという巨額の費用を本気でクラウドファンディングで集めるのか、そもそもこんなバカでかい浮体構造物をまともに建造できるのか、新手のメタバース〜NFT集金スキームかなにかじゃないのかというのが率直な感想ではあるものの、夢を語るのは自由。夢に投資するのも自由です。