東北医科薬科大学
東北医科薬科大学は、宮城県仙台市青葉区小松島4-4-1に本部を置く日本の私立大学である。1949年に設置された。大学の略称は東北医薬大。
東北薬科大学は1939年に設置された東北薬学専門学校を前身とし、1949年に設置された。1959年に、日本の私立薬科大学で当時は唯一の附属癌研究所を設立[1]した。1962年に私立薬科大学で初の大学院を設置する。2016年に医学部を開設し、東北薬科大学から東北医科薬科大学に改称した。
医学部設置へ
日本政府は1980年代から医師数の抑制政策をとり、2003年には文部科学省が医学部の新設禁止を告示した。2011年に発生した東日本大震災を受けて、東北地方の医師不足への対応と被災地復興の支援のため、東北地方で1校に限り医学部新設を認める方針を打ち出した。
この動きを受けて東北薬科大学は2013年10月11日、医学部の設置を目指す意向を表明した。
2014年8月28日、東北地方に医学部を新設する構想で、文部科学省の構想審査会は、同大が改称して設立する「東北医科薬科大学」(仙台市)を選定したと発表した。
同大の構想によると16年4月の開設をめざし、キャンパスは宮城野区に所在する東北薬科大学病院の隣接地を買収や賃借して整備。さらに、医学部の学費が6年間で3400万円となる見込みであるほか、学生定員は100人、教員医師は183人の採用を予定している。
2016年4月1日、医学部を新設した上で東北医科薬科大学に改称。さらに同日付で、東北薬科大学病院も東北医科薬科大学病院に改称、加えて、東日本電信電話から取得したNTT東日本東北病院(若林区、199床)は東北医科薬科大学若林病院に改称した。
医学部は震災を受けて開学を認められた経緯から、地域医療への貢献に重点を置いている。1学年100人のうち55人を奨学金枠として、6年間で3000万円程度の学費減免を与える代わりに、医師国家試験合格後8〜10年間は大学が指定する東北地方の医療機関のいずれかに勤務してもらう条件である。地域医療ネットワーク病院(19カ所)、関連教育病院(東北労災病院と国立病院機構仙台医療センター)などと連携して医療現場での臨床実習などを行うほか、被災地訪問や災害医療教育を教育に取り入れている。