今月のニュースから

9月2日(月)要介護認定者数、過去最多の641万人に 5割超が85歳以上
 前年度と比較しておよそ9万人、1.5%増加したという。高齢化の進行が主な要因とみられている。
 昨年3月末時点の要支援・要介護の認定者数が過去最多の641万人にのぼったことが、厚生労働省が8月30日に公表した最新の介護保険事業状況報告で明らかになった。
このうち要支援者は27.4%の176万人。要介護3以上は34.8%の224万人となっている。
 認定者のうち75歳未満は11.7%。それ以外は75歳以上で、全体の51.8%は85歳以上だと報告されている。
 65歳以上の高齢者に占める認定者の割合は、前年度と同じ18.0%。10年前の2008年3月(15.9%)と比べ、2.1ポイント高くなっている。政府は地域の“通いの場”の展開など介護予防の推進に力を入れる考え。
 介護保険の給付費は2017年度の累計で9兆4443億円。前年度より2154億円(2.3%)増えていた。給付費の内訳は、居宅サービスが50.5%、施設サービスが32.8%、地域密着型サービスが16.6%。給付費の膨張、それに伴う保険料の上昇は今後も続いていく見通しだ。2017年度の高齢者1人あたりの給付費は27万1000円。前年度より3000円高くなっていた。   (介護jointニュース)

 

9月5日(木)介護福祉士の養成校、外国人が倍増 入学者の3割に 定員の充足率も上昇
 介護福祉士を育てる専門学校や大学などの養成校へ今年度に入学した人が6982人だったことが、日本介護福祉士養成施設協会のまとめで 4日に分かった。前年度より126人多い。増加は2013年度以来6年ぶり。入学定員に対する充足率は48.5%で、前年度から4.3ポイント上昇した。

要因は外国人留学生にある。前年度の1142人から2037人へほぼ倍増。入学者全体に占める割合は29.2%と約3割に達した(前年度:16.7%)。日本人の入学者は減り続けている。
 外国人留学生の出身国をみると、ベトナムが1047人と圧倒的に多い。前年度の542人から倍増している。以下、中国が212人、ネパールが203人、フィリピンが163人、インドネシアが106人などと続く。
 募集をやめたり過程を廃止したりしたところが11校あり、養成校の数は前年度の386校から375校となった。定員数は1万4387人。前年度から1119人減って過去最少を更新した。
 政府は深刻な人手不足の解消に向けて、外国人の受け入れに力を入れている。2017年9月には新たな在留資格「介護」を新設。養成校を卒業して介護福祉士の資格を取れば、長期間にわたって日本の介護現場で働いていける環境を作った。   (介護jointニュース)

 

9月9日(月)健保連「医療費、75歳以上の負担2割に」 引き上げ政策提言を発表
 大企業の健康保険組合で組織する「健康保険組合連合会」(健保連)は9日、75歳以上の後期高齢者の医療費の自己負担額を今の1割から2割に引き上げる政策提言を発表した。団塊の世代(1947〜49年生まれ)が後期高齢者になる2022年から医療費がさらに膨張するため、政府に改革を求め。
 健保連の試算では、会社員の給料に占める医療、介護、年金の社会保険料の割合が、健保組合の平均で19年度29%から22年度30%、25年度31%へと上昇する。高齢者の医療費や介護費を支えるため、現役世代が負担する額が増えることが主な要因だ。
 健保連は対策として、75歳以上の医療費自己負担額を、低所得者を除いて原則2割にすべきだと主張。75歳から79歳まで毎年1歳ずつ2割負担の範囲を引き上げた場合、患者の自己負担は年平均で700億円増え、公費負担が逆に800億円減るという。
 また、花粉症薬や湿布など市販薬と同じ成分の医薬品は公的医療保険の対象外にしたり、患者の自己負担額を引き上げたりするよう提案している。佐野雅宏副会長は「国民皆保険制度を維持するためには給付と負担のバランスを取るよう進めていくしかない」と話している。   (毎日新聞)

 

9月13日(金)100歳以上、7万人突破 平成の30年間で23倍に

「敬老の日」(今年は16日)を前に、厚生労働省は13日、全国の100歳以上の高齢者は7万1238人となり、初めて7万人を突破したと発表した。

 昨年から1453人多く、49年連続の増加。女性が88.1%を占めた。1989年は3,078人で、平成の30年間で約23倍となった。同省の担当者は「健康増進や介護予防の取り組みなど複合的な要因がある」としている。
 住民基本台帳を基に今月15日時点に100歳以上になっている人数を集計。
 男性は昨年から132人増の8463人、女性は1321人増の6万2775人となった。   (読売新聞)

 

 

9月17日(火)小学校跡地で介護人材育成 外国人向け養成校開校へ 奈良
 医療介護事業を運営する社会福祉法人「大和清寿会」(奈良県天理市)は、旧奈良市立吐山(はやま)小学校跡地に、外国人向けの介護福祉士養成校と日本語学校を開校する方針を明らかにした。今月1日付で市と賃貸借契約を締結、来年4月の開校を目指す。
 同会によると、介護福祉士養成校は2年制で定員は80人。日本語学校は1年コース60人、1年6カ月コース40人。主にベトナムやインドネシア、フィリピンなどの看護学校卒業生らを受け入れる。日本での就労を希望する学生らは面接を経て日本語学校に入学。日常会話程度が可能な語学力を修得すれば、介護福祉士養成校に進学できる。すでに高い日本語能力を有する外国人や、日本人も入学することができる。
 介護福祉士養成校の学費は年間190万円。東南アジアの若者にとっては高額だが、2年間で168万円を上限に奈良県から修学資金の貸し付けを受けられ、資格を取得後、県内で5年以上介護の仕事に従事すれば返還が免除される。同会の鉄村俊夫理事長は「県内の介護人材は不足している。海外から優秀な人材を受け入れることで、雇用に役立ちたい」と語った。
 吐山小学校跡地の賃料は年間約880万円で、期間は令和22年3月末まで。跡地は平成28年度に廃校となって以来、使用されておらず、市が活用方法を模索していた。仲川げん市長は「高齢者時代を支える人材を確保することができ、跡地も活用できるのでありがたい」と話した。   (産経新聞)

 

9月20日(金)社会保障改革総仕上げ 医療・介護の負担増不可避
「人生100年時代」を見据えた社会保障制度改革の総仕上げが始まった。20日に初会合を開いた全世代型社会保障検討会議では、現役世代の減少で、社会保障制度を支える「働き手」を増やすことが急がれる。医療や介護での負担増という「痛み」を伴う改革も、避けて通ることはできない。
 検討会議で最大の難関になりそうなのが、医療や介護の負担増をめぐる政策課題だ。75歳以上の後期高齢者の病院での窓口負担や、介護保険制度の利用者負担の原則1割から2割への引き上げは、高齢者を中心に反発が予想。
 「75歳以上も2割とか、そういった負担の在り方も大いに、前向きに議論したらいいのではないか」
 初会合で中西宏明経団連会長がそう語ると、安倍晋三首相は「しっかりした政治基盤があるうちに、経済が比較的に良いときに持続可能な形で改革していくことは、政治として大きな責任だ」と応じた。
 少子高齢化が加速すれば、現役世代の負担は重くなるばかり。世代間でバランスをとらない限り、持続可能な社会保障制度を構築することはできない。桜田謙悟経済同友会代表幹事は会合で「若い人が将来、希望をもてるような制度を今こそつくらなければならない」と訴えた。
 社会保障制度の財政基盤強化は喫緊の課題だ。政府が進めようとしている高齢者の就労促進には、税金や保険料を納める人を増やしたいとの思惑が透けてみえる。6月に閣議決定した成長戦略実行計画で、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする方針を示しており、今後、具体策を議論する。
 高齢者就労とセットで考えなければならないのが、在職老齢年金制度の見直しだ。同制度は賃金と年金の合計額が60〜64歳は月28万円、65歳以上は月47万円を上回る場合、年金受給額を減らす仕組み。結果的に高齢者の働く意欲を失わせるという指摘がある。
 検討会議では、公的年金の受け取り開始時期について、より選択の幅をもたせるよう改革することにも、前向きな意見が相次いだ。
 年金を受け取り始める年齢は原則65歳。現行制度は60〜70歳の間で受け取る時期を自由に選ぶことができる。65歳より後に受給を開始すると1カ月当たり0・7%、最大42%増える。選択できる範囲を現行から5年引き上げ、「75歳まで」とする案が浮上している。
 このほか、政府は中小企業のパートやアルバイトなどの短時間労働者の厚生年金への加入を進め、高齢者以外にも、幅広く「支え手」を拡充させたい考えだ。現行では従業員501人以上の企業で週20時間以上働き、賃金が月8万8千円以上の人などが厚生年金の対象だ。検討会議では、この要件の緩和を打ち出すとみられる。
 働き方が多様化していることを踏まえ、副業・兼業の普及に向けた政策も検討する見通しだ。   (産経新聞)

 

9月20日(金)今年度のケアマネ試験、受験者数の大幅回復なし 東京・大阪などで微増の見通し
昨年度に受験者数が激減したケアマネジャーの実務研修受講試験 ? 。10月13日に実施される今年度はどうか? 都道府県からの報告が集まってきている。東京都や大阪府、北海道など受験者数の多い18都道府県の今年度の受験予定者数は計3万3869人。昨年度の受験者数2730人(8.8%)多い微増となっている。
この18都道府県では昨年度に3万1139人が受験。全体の63.1%を占める規模だった。
 受験予定者数を多い順にみると、東京都が4077人で433人増、大阪府が3484人で513人増、北海道が3053人で164人増、神奈川県が2585人で288人増、兵庫県が2575人で436人増。この順位は昨年度の実績と変わらない。大阪府や兵庫県は伸び幅が大きかった。このほか、福岡県や埼玉県、広島県、京都府などでそれぞれ100人から200人程度増えていた。一方で更に減少したところもある。宮城県は1329人で12人減、青森県は977人で128人減、熊本県は1113人で6人減だった。
 ケアマネ試験をめぐっては昨年度、受験者数が非常に大きく減少して関係者にショックを与えた経緯がある。一昨年度が13万1432人、昨年度が4万9312人。一気に62.5%も減る衝撃の結果だった。
最大の要因は、5年以上の経験を持つ2級ヘルパーなどを除外した受験資格の厳格化とみられる。また、求められる役割や研修の量が増えて非常に忙しいこと、処遇がそれほど良くないことも背景にあると指摘する声が多い。今年度のケアマネ試験にはもう1つ特徴がある。受験手数料が軒並み上がったことだ。
18都道府県すべてでアップ。千葉県では8700円から1万4400円へ、愛知県と埼玉県では8700円から1万3800円へ、神奈川県では8790円から1万3800円へ、それぞれ5000円を超える大幅増となっている。受験者数の激減で1人あたりの経費が上がってしまったことが要因。
 このほか、宮城県は8400円から1万2800円へ4400円増、広島県は8800円から1万2800円へ4000円増、東京都は9200円から1万2800円へ3600円増となっている。   (介護jointニュース)

 

9月26日(木)政府、介護の自己負担増を検討 2割・3割の対象者を拡大=日経報道
日本経済新聞は25日の朝刊で、高齢化とともに給付費の膨張が加速していく見通しの介護保険制度について、厚生労働省と財務省が高齢者の自己負担を引き上げる検討に入ると報じた。
2割や遅割の人(*)を増やす方向だという。現行では所得水準の上位20%を対象としているが、これを上位25%へ拡げる案を軸に検討すると伝えた。
 * 2割=単身で年金収入のみの場合で280万円以上など。3割=単身で年金収入のみの場合で383万円以上など。
 自己負担の引き上げは、2021年度に控える次の制度改正をめぐる最大の焦点の1つ。厳しい財政状況や現役世代・将来世代にのしかかる負担などを勘案し、財務省や経済界などが繰り返し「原則2割」とするよう訴えてきた経緯がある。
今回の案は相対的に所得が高い高齢者のみを対象とするもの。実現しても1割のまま変わらない人も多い。財務省などの主張に対しては、現場の関係者から「介護離職ゼロに逆行する」「サービスの利用控えが生じ、かえって重度化を招いてしまう」といった強い反発が出ていた。
 日経はこのほか、厚生労働省と財務省が高額介護サービス費の見直しを検討すると報じた。現役並みに所得のある人を細分化し、それぞれの負担上限額を現行の月4万4000円より高くする方向だという。   (介護ニュースJoint)

 

9月28日(土)特養廃止「命に関わる」 職員、転居先確保へ市に嘆願 静岡
 社会福祉法人ライト(愛知県岡崎市)が静岡市内で運営する三つの特別養護老人ホームの廃止を検討している問題で、3施設の現場職員が27日、市役所静岡庁舎を訪れ「利用者を10月1日以降引き受けられる状況にない」とし、市に転居先の確保や他の法人への運営移行などを求める緊急嘆願書を提出。
 法人は今月20日、市内で運営する3施設の廃止を検討していると市に突然伝達。「資金繰りが悪化した」と理由を説明した。25日には利用者家族や職員、取引業者への説明会を開いたが、曖昧な言動が目立ったという。
 嘆願書によると、法人の理事が通帳や印鑑などを持ち出し、給与が支払われない恐れが生じている上、派遣会社5社が9月末で計10人を引き上げ、取引業者5社は物品の納品停止を決めたという。介護職員が足りず、3施設に入所している計133人の「生命に関わる事態」と訴えた。
 嘆願書を受け取った市介護保険課は「市内の各施設に受け入れ可能数を照会中」などと説明した。青野志能生健康福祉部長は「入所者の方々が安心できるよう、早急に対応するよう市長から指示を受けている」と述べた。
 嘆願書は、介護職員の賃金アップのための「処遇改善加算」を巡り、職員に適切に支払われているかどうかの調査も要望した。同課は「法人側から事情を聴きつつ、不正や払い漏れの有無を確認していく」としている。   (静岡新聞社)

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