今月のニュースから
3月01日(金)自殺対策の重点施策に「高齢者」を明記 - 茨城県が計画案、介護支援専門員に研修も
茨城県は、県自殺対策計画の案をまとめた。重点施策の1つとして、「高齢者対策の推進」を明記。介護が必要な高齢者に対し、必要なケアマネジメントを行う介護支援専門員の資質向上を図るための研修事業を実施する方針だ。
計画案では、高齢者の自殺に関して、「高齢者特有の課題を踏まえつつ、多様な背景や価値観に対応した支援、働きかけが必要」と指摘。高齢者は閉じこもりや抑うつ状態になりやすいことから、地域包括ケアシステムと連動した事業を展開するとしている。
要介護者に対する支援については、介護支援専門員の研修事業に加え、▽地域包括支援センターにおける総合相談支援業務の充実・強化▽介護予防事業の実施主体の市町村への総合的な支援▽地域の実情に応じた支え合い体制づくりの推進―などを挙げている。
また、精神的な健康不安への対応も明記。かかりつけ医を対象とした研修を実施し、うつ病の早期発見、早期治療につなげる方向性を示している。 (医療介護CBニュース)
3月03日(日)「介護を苦に首絞めた」81歳父を殺害した容疑、男逮捕
大阪府茨木市の自宅で同居する父親(81)を殺害したとして、府警は次男の無職鈴川幸二容疑者(46)を殺人容疑で逮捕し、発表した。容疑者もカミソリで自分の首を切って自殺を図ったが軽傷で、「父が1カ月前から病気で寝たきりで、介護を苦に首を絞めた」と供述しているという。茨木署によると、幸二容疑者は2日午後、茨木市並木町の集合住宅2階の自宅で、父の清さんの首をタオルや両手で絞めて殺害した疑いがある。
幸二容疑者は両親と3人暮らし。2日午後5時ごろに母親が帰宅した際、清さんが和室の布団の上で倒れ、幸二容疑者が風呂場の脱衣場で首から血を流して倒れていた。119番通報した母に「父の首を絞めた後、自殺しようとした」と話したという。 (朝日新聞)
3月08日(金)認知症グループホーム3割超が赤字 - 看護師の確保などで経営状況に差、WAM調査
2017年度に認知症グループホーム(GH)のうち、赤字施設の割合は35.2%だったことが福祉医療機構(WAM)の調査で明らかになった。同年度に介護人材の処遇改善を目的とした臨時介護報酬改定があったこともあり、サービス活動収益対サービス活動増減差額比率は上昇し、赤字施設の割合も縮小した。過半数を占めた2ユニットのGHのうち、黒字と赤字の施設群の比較では、「医療連携体制加算」の取得率などに差が見られた。
調査対象は、開設後1年以上が経過している1441施設。そのうちユニット数は1ユニットが579施設(40.2%)、2ユニットが801施設(55.6%)、3ユニットが61施設(4.2%)で要介護度の平均は2.68。
17年度のGHのサービス活動収益対サービス活動増減差額比率は4.2%で、16年度と比べて0.5ポイント上昇した。赤字施設の割合は16年度から2.1ポイント縮小した。
WAMは、1ユニットと2ユニットそれぞれのGHの経営状況も分析。赤字施設の割合を比較すると1ユニットでは42.8%、2ユニットでは30.1%だった。サービス活動収益対サービス活動増減差額比率ではそれぞれ1.7%、5.1%と差が見られた。
■医療連携体制加算の取得率、赤字施設と黒字施設で差
2ユニットのGHでは1ユニットと比較して全体的に加算の取得率が高かった。最も取得率に差があったのは、看護師の配置や確保などが要件となっている医療連携体制加算で、1ユニットは57.7%、2ユニットは74.4%だった。同加算の取得率については2ユニットの施設群の間でも黒字施設は76.4%、赤字施設は69.7%と差が見られた。 (医療介護CBニュース)
3月08日(金)すきま時間で働きませんか 福祉事業所とのマッチングサービス
(株)プラスロボ(鈴木亮平社長)は2月21日、すきま時間を使って福祉事業所で働きたい人と、介護業務以外の簡単な仕事を頼みたい福祉事業所とをマッチングするサービス「Sketter」(スケッター)をリリースした。福祉領域に特化したスキルシェアサービスは国内初。3年間で3万人の個人と、1000カ所の福祉事業所の登録を目指す。
スキルシェアサービスは、インターネットを通じて、個人が自らの知識や技能を売買できるサービス。既にプログラミングやデザイン、家事などさまざまなジャンルに特化したサービスがある。市場規模は300億円を超える。政府の働き方改革も背景に、近年ますます注目されている。
スケッターは、福祉事業者がウエブサイト内に清掃や配膳、資料作成といった仕事内容と日時、報酬を投稿。これを見た個人のユーザーが応募し、福祉事業者が受け入れればマッチングが成立する。「報酬なし」と設定すればボランティアを集めることもできる。
福祉事業者にとっては、スケッターを利用することで、現場職員が専門的な業務に集中できるメリットがある。業務終了後はお互いが評価するシステムとなっており、信頼度を可視化してサービス向上につなげる。
ユーザーのサービス利用料は無料。一方、福祉事業者は当面2人受け入れるまで登録料は無料で、3人目からは月1万円かかる。
鈴木社長は福祉とテクノロジーを掛け合わせ、社会課題の解決につなげたいとスケッターを立ち上げた。「個人にとっても現場を見るハードルが下がり、そのまま就職につながるケースもあるのではないか。また、学校や社会福祉協議会などと連携することで、地域の活性化にもつなげたい」と話す。
昨年8月にインターネットで資金を集めるクラウドファンディングを実施したところ反響が大きく、最終的には157万円を集めた。
事前のテストでは、応募したユーザーの7割が20代以下で、女性が8割。約6割が福祉施設で働いた経験がなかった。今後、同社はウエブ広告を出すことでユーザーを集める考えだ。 (福祉新聞)
3月08日(金)“迷子”の居場所、QRで連絡 高齢者や子供に
徘徊により行方不明となる認知症の高齢者が増える中、東京都千代田区の出版社「昭文社」は、認知症の高齢者や迷子の子供などを対象にした早期発見サービス「おかえりQR」を始めた。持ち物に付けたQRコードを発見者が読み取ると、現在地が家族などに連絡される仕組みだ。昨秋に一部地域で販売を開始し、先月には販路を全国に拡大。同社は「道に迷っても大丈夫という寛容な社会になってほしい」との思いで、さらなる普及促進を目指す。
おかえりQRはシール型のQRコードで、名刺ほどの大きさ。持ち物に貼る前に専用のサイトでIDとメールアドレスを登録すれば、第三者がQRコードを読み取った際、現在の状況や今いる場所の地図が登録したアドレスにメールで送られる。
同社は「アプリなどを使っておらず、いたってシンプル」と説明する。発見者やQRコード保持者の家族らの個人情報は公開されないため、安心して使えるという。
全国の自治体では、早期発見への取り組みとして、爪に貼ったり靴に取り付けたりするGPS機器の導入が進んでいる。こうした機器は、正確に位置情報を把握できるメリットがある一方、常に身につけているかどうかといった課題もあった。
おかえりQRは、1シート(大中小のシール23枚)で3240円と比較的安価なのが特徴。位置情報こそ発信できないものの、「行方不明者などを見つけた人がためらわずに簡単に連絡できるツールがあってもいいのではないか」との同社社員の発想により生まれた。企画開発責任者の池田有作さん(46)は「『誰もが気軽に』を意識した」と話す。
デザインやシールの強度の改良を重ねるなどして、昨年10月に埼玉県南部の郵便局で試験的に販売を開始。地元警察や自治体などから好評だったため、販路を全国に広げ、先月からはアマゾン・ジャパン、今月上旬には楽天市場のインターネットで取り扱いを始めた。
同社は今後、おかえりQRの利用者を増やすとともに、シールを見た人にQRコードを読み取ってもらえるよう“見守る側”への普及促進も図りたい考え。関東での店頭販売のほか、つえなど福祉介護商品の関連会社との連携も検討している。
池田さんは、同商品を通じ「認知症の方や子供などが道に迷っても、誰かが助けてくれるから大丈夫、という安心な社会になってほしい」と願っている。 (産経新聞)
3月11日(月)要介護者への疾患別リハの終了で都道府県に通知 - 円滑な介護保険への移行を
厚生労働省は8日、入院外の要介護・要支援被保険者に対する「維持期・生活期の疾患別リハビリテーション料」の算定が2019年4月から不可能となることを踏まえ、都道府県などに対して必要な対応を通知した。リハビリの継続が必要である要介護・要支援の認定を受けた外来患者について、3月中に介護保険サービスへの移行が円滑に進むよう、市町村や医療機関に対する周知徹底を求めている。
医療保険の疾患別リハビリテーションのうち、標準的算定日数を超えた患者に対して状態の維持を目的に提供されるリハビリは「維持期・生活期リハビリテーション」と位置付けられている。6日に開催された中央社会保険医療協議会の総会では、入院患者以外の要介護・要支援者に対する維持期・生活期リハビリテーションについて、19年3月末で経過措置を終了することが了承されていた。
通知では、3月時点で医療保険の維持期・生活期リハビリテーションを受けている要介護・要支援者が、その医療機関とは異なる施設で介護保険の「訪問リハビリテーション」「通所リハビリテーション」「介護予防訪問リハビリテーション」「介護予防通所リハビリテーション」のいずれかを同じ月に併用して受ける場合についての対応を示している。具体的には、介護保険のリハビリテーションの利用開始日を含む月の翌々月まで、医療機関では維持期・生活期リハビリテーションを1カ月に7単位まで算定できる。
また、維持期・生活期リハビリテーションを算定している患者が4月以降の介護保険のリハビリを希望した場合には、居宅介護支援事業所や介護予防支援事業所に対してリハビリのサービスが必要であることを医療機関が指示することも示した。介護保険のリハビリに移行する際に、居宅介護支援事業所などのケアマネジャーとの連携を通じてケアプランの作成を支援し、維持期・生活期の疾患別リハビリテーションの提供を終了した医療機関は、診療報酬の「介護保険リハビリテーション移行支援料」(500点)を算定できる。
■ケアマネの対応にも言及
通知には、居宅介護支援事業所などのケアマネジャーの対応についても記載された。ケアプランの作成時に、サービス担当者会議を開催し、専門職からの意見を求めることとしている。リハビリを必要とする要介護・要支援者に対して新たにケアプランを作成する際は、居宅介護支援事業所や介護予防支援事業所が初回加算(300点/1カ月)を算定できることにも触れ、介護保険への移行が円滑に行えるよう求めている。 (医療介護CBニュース)
3月12日(火)行政間連携で実効性あるフレイル対策を - 厚労省課長が都道府県へ呼び掛け
フレイル(虚弱)への対策は高齢者の疾病予防と介護予防の中心的な取り組みとして位置付けられる―。厚生労働省と都道府県の担当課長が行政動向を共有する会議で12日、同省保険局の込山愛郎高齢者医療課長はこう強調した。また、込山課長は保健事業と介護予防を一体的に進めるための関連法令の改正予定内容について説明し、行政同士の連携を求めた。
2019年度の高齢者医療関連の予算案では、「高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進(介護予防との一体的な実施の先行的取組)」事業に18年度当初予算比2.5億円増の6.1億円、「高齢者の特性を踏まえた保健事業の全国的な横展開等に要する経費」として新規に1億914万円を計上するなど、予防領域の強化が図られている。込山課長は同会議で、「高齢者の社会的なつながりの弱さに対する対策を講じることが、疾病予防にもつながる」と述べ、保健事業と介護予防事業の一体的な取り組みの重要性を改めて強調した。
高齢者を対象とした保健事業の推進を図る上で、75歳を境に高齢者の加入保険が変わるため、事業の実施主体が市町村と後期高齢者医療広域連合に分断されている。込山課長はこれを行政の課題として挙げ、円滑な連携を支援するために「高齢者の医療の確保に関する法律」などの関係法令の改正を予定していることを説明した。具体的には、保健事業を広域連合が市町村に委託できることや、市町村が広域連合に被保険者の情報提供を求めることが可能であることなどを盛り込む見込み。 (医療介護CBニュース)
3月14日(木)介護施設の事故死1500人=17年度、厚労省調査
厚生労働省は14日、全国の特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)の入所者のうち、2017年度に事故で死亡した人が少なくとも計1547人いたとの調査結果(速報値)を公表した。
全国調査は初めてで、施設から市区町村に報告があった件数をまとめた。
調査は、施設の衛生管理や事故の報告ルールなどを把握する目的で実施。死亡事故の内訳は、特養が計772施設で1117人、老健が計275市設で430人だった。 (時事通信社)
3月15日(金)入所者をたたいて「じじい死ね」 老人ホームに改善命令
愛知県北名古屋市の住宅型有料老人ホーム「アグレにじ北名古屋」で昨年9月、職員が90歳代の入所者の男性をたたくなどした問題で、県は15日、老人ホームを運営する「TNGM」(三重県四日市市)に対し、老人福祉法に基づく「改善命令」を出したと発表した。ホームでは入居者14人に対し、不適切な身体拘束もあったという。
愛知県によると、看護師と介護職員のともに60歳代の女性職員2人は昨年9月、入所男性に対して手でたたいたり、「じじい死ね」などと暴言を吐いたりしたという。
このうち、看護師については2017年1月、周りに聞こえる声で「うっとうしい」などと発言する心理的虐待があったとの報告が北名古屋市から県にあり、同市が改善指導したという。県警は1月、2人を暴行と暴力行為等処罰法違反容疑で書類送検した。 (朝日新聞)
3月15日(金)外国人労働者拡大、厳格契約や健康診断書提出も義務付け 政省令公布
深刻な人手不足を背景とした外国人労働者受け入れ拡大開始を半月後に控え、政府は15日、受け入れ企業や支援機関などが守るべき基準を定めた政省令を公布した。施行は4月1日。給与の中抜きを防ぐため原則口座払いにするといった厳格な雇用契約のほか、ライフライン・住宅の契約手続き支援なども盛り込んでおり、新在留資格である「特定技能」の人々が安心して生活できるよう万全の体制を求める
労働者側には、継続的就労が可能であることの証明などのため健康診断書提出を義務付ける。パブリックコメントでの意見や、海外出身の結核患者増加を背景に、中長期在留者全体に入国前検査の義務化を進めていることも踏まえた。特定技能へ移行する技能実習生にも求める。
支援計画の実施を企業側から受託する「登録支援機関」は、労働関係法令の違反があれば取り消され、過去5年に違反がある場合も登録できない。
政府は改正出入国管理法に基づき、一定の知識が必要な「特定技能1号」(通算5年)、在留期間更新の上限がない熟練資格「特定技能2号」を新設。介護や建設など14分野で約34万人を限度に受け入れることとしており、4月に申請受け付けを開始する。 (産経新聞)
3月18日(月)外国人介護職員 条件付きで就労時から配置基準に算定へ
厚生労働省は6日の社会保障審議会介護給付費分科会で、4月から導入する外国人労働者の新在留資格「特定技能」で働く外国人介護職員について、就労時から介護施設の人員配置基準に算定する方針を明らかにした。
3年間の技能実習を終えた人と同等の介護技能と一定の日本語能力を事前の試験で確認しているため、就労と同時に配置基準に算定する。ただ、介護の安全性確保を徹底するため、一定期間(6カ月間を想定)、日本人職員とチームで介護に当たることを求める。
昨年の改正入管法で創設した特定技能の介護分野では、5年間で最大6万人の受け入れを見込む。日本語能力や介護技能を判定する試験を通過した外国人を受け入れる。通算で5年を上限とし、介護施設で働くことができる。
フィリピンなどとの経済連携協定(EPA)や技能実習制度で来日した外国人は、日本語能力試験で高い語学水準をクリアした場合を除き、働き始めてから6カ月間は配置基準の対象にならない。
このほか、分科会ではベテラン介護福祉士らの賃金を引き上げる新加算「特定処遇改善加算」について、算定要件の詳細な対応案を示し、委員は大筋で了承した。
厚労省が示した対応案によると、最も高い賃上げの対象となる「経験・技能のある介護職員」は「勤続10年以上の介護福祉士」を基本としつつ、「勤続10年」の考え方は事業所の裁量で設定できる方針を示した。
技能水準や業務内容を勘案して勤続10年に達していない人も対象にできるほか、同一法人内の経験だけでなく、他法人や医療機関での経験も通算することも可能だとした。 (福祉新聞)
3月19日(火)17年度介護施設処分257カ所 厚労省集計、過去最多
介護報酬の不正請求や法令違反で、介護保険法に基づく指定取り消しなどの処分を受けた施設や事業所が2017年度に257カ所に上り、過去最多になったことが19日、厚生労働省の集計で分かった。前年度より13カ所増えた。
うち報酬の不正請求に対し自治体が返還を求めた事業所は128カ所。返還請求額は計約11億7800万円だった。
処分の内訳は、介護保険サービスが提供できなくなる指定取り消しが169カ所で、新規利用者の受け入れを認めないなど事業の停止処分が88カ所。処分を受けたサービス種別では、介護職員を派遣する訪問介護が90カ所で最多となった。(共同通信)
3月20日(水)介護実習生の日本語能力、基準緩和へ…「不合格」でも滞在延長
厚生労働省が、介護分野の技能実習生の日本語要件を緩和することで、実習生の受け入れ増加を目指すことが分かった。厚労省が定める基準を改正し、今月中に告示する。実習生は3年以上の経験を積むことで、4月に新設される在留資格「特定技能」の介護分野で働くことが可能になる。
2017年に始まった介護の技能実習制度では、入国時、日本語能力試験でN1〜N5の5段階のうち、2番目に簡単なN4(ややゆっくりの日常会話を理解できる)に合格し、1年後にN3(日常会話を理解できる)に合格できなければ帰国する必要がある。
新たな基準では、1年後にN3に合格できなくても、さらに2年間の在留を認め、N4のままでも計3年間は滞在できるようになる。ただし、「1年目修了時の介護に関する技能試験に合格」などの条件は維持する。
昨年10月末現在で来日した実習生は250人程度にとどまっており、1年後にN3合格という条件が厳しいことが原因の一つとされている。厚労省の推計では25年度には約245万人の介護職員が必要になる一方、約34万人が不足すると見込まれている。 (読売新聞)
3月24日(日)お年寄り、もっと「たんぱく質」を 厚労省が目標増量
加齢に伴って心身の活力が低下する「フレイル」を防ぐため、厚生労働省は22日、65歳以上のお年寄りが1日にとるたんぱく質の目標量を引き上げることを決めた。栄養素などの望ましい量を定めた「食事摂取基準」の2020年版にとり入れる。目標のおおむねの目安として、体重1キログラムあたり1グラム以上が望ましいとした。
厚労省の検討会がこの日、目標量などを盛り込んだ報告書をまとめた。1日の食事の総エネルギーに占めるたんぱく質の目標量は、今は1歳以上の全年代で「13〜20%」だが、海外の研究などを参考に65歳以上は「15〜20%」とする。
フレイルは、健康な状態と要介護の間の虚弱状態。筋力や認知機能、社会とのつながりなどが低下した状態とされ、放っておくと介護が必要になる。予防には軽い運動や食事の改善などが有効とされ、蛋白質不足が影響していると考えられている。 (朝日新聞社)
3月24日(日)訪問介護、半数ハラスメント被害 利用者から職員、初の実態調査
介護現場で働く人を対象にした厚生労働省の委託調査で、サービス利用者からセクハラや身体・精神的暴力のハラスメント被害を受けた経験がある人は、訪問介護職員の半数に上ることが24日、分かった。介護現場のハラスメント実態に関し厚労省が大規模な調査を実施したのは初めて。利用者の家族からの被害も17%の職員が経験しており、被害の深刻さが浮き彫りとなった。
訪問介護は女性ヘルパーが1人で利用者宅を訪ねることが多く、施設に比べ密室性が高い。人手不足で待遇改善が求められる介護現場にとってハラスメント対策は急務。事業者向けマニュアルを近くまとめ、厚労省は現場への周知を図る。 (共同通信)
3月26日(火)高齢者虐待、最多の1万7588件 介護施設で510件
厚生労働省は26日、65歳以上の高齢者への虐待について、2017年度は前年度より752件多い1万7588件だったと発表した。内訳は、家族や同居人らによる虐待が5年連続の増加で1万7078件、介護施設職員らによる虐待が11年連続の増加で510件。全体数と内訳数のいずれも過去最多だった。虐待かその疑いによる死亡は28人だった。
調査は高齢者虐待防止法に基づき、相談や通報を受けた自治体が虐待と判断した件数をまとめた。厚労省の担当者は「虐待に対する社会的な認識が高まり、発覚に至るケースが増えている」とみる。
介護施設での虐待に関する通報・相談は1898件で、このうち510件が虐待と判断された。510件のうち3割の157件は、過去に虐待に関する苦情や通報などがあり、行政から指導を受けた施設で起きた。虐待1件で被害者が複数いる場合があり、被害が特定されたのは854人。 (朝日新聞)
3月27日(水)介護福祉士の国家試験、合格率が過去最高 - 厚労省公表
第31回の介護福祉士国家試験の合格率は73.7%で、1989年に試験が始まって以降、最高だったことが、厚生労働省が行った合格発表で分かった。合格者数は6万9736人だった。
受験資格別では、「老人福祉施設の介護職員等」が54.0%で最も多かった。次いで、「訪問介護員等」(14.7%)、「介護福祉士養成施設」(7.4%)、「医療機関の看護補助者等」(6.8%)、「介護老人保健施設、介護医療院の介護職員等」(6.5%)などと続いた。 (医療介護CBニュース)
3月27日(水)褥瘡マネジメント加算が低調 施設4割「今後も予定なし」
厚生労働省は14日、2021年度介護報酬改定に向けて行った調査の報告案を、社会保障審議会介護給付費分科会の委員会に示した。18年度改定で新設された「褥瘡マネジメント加算」を算定していたのは、特別養護老人ホームの19%、老人保健施設の37%にとどまった。今後も算定する予定がない施設は4割を超えた。
調査は18年度改定の影響を検証したり、分科会の審議報告(17年12月)で示された課題を検討したりするもの。18年度は7項目行った。
褥瘡マネジメント加算については、サービスの質の評価に関する調査の中で行い、特養1616カ所、老健1237カ所が答えた。
同加算を算定している施設では、全ての利用者に対し、褥瘡のリスク評価を実施しているのが9割、褥瘡ケア計画を作成しているのが7割を占めた。
一方、同加算を算定していない理由は「入所者ごとにケア計画を作成するのが難しい」「リスク評価を3カ月に1回以上行うのが難しい」の順に多い。そのほか「本人・家族の同意を得るのが難しい」「加算の単位が少ない」との意見もあった
褥瘡の定義は「持続する発赤」が5割で最も多かったが、「皮膚損傷・発赤なし」「真皮までの損傷」「皮下組織までの損傷」もあり、捉え方は分かれた。
◆見守りセンサー 夜勤加算も低調
介護ロボットの効果実証の調査では、見守りセンサーを導入している特養とショートステイの計583カ所のうち、人員基準の要件が緩和された夜勤職員配置加算を届け出ているのは34カ所(6%)だった。
居宅介護支援に関する調査では、管理者が主任ケアマネジャー資格を持っているのは5割。21年度から、管理者は主任ケアマネジャーでなければならないことになっている。
福祉用具の調査では、貸与価格の上限を超えるのが、17年10月時点では約61万件(約3億4000万円)あったが、18年10月時点ではゼロ件だった。
特養と老健それぞれの安全・衛生管理体制に関する調査では、17年度の事故死報告が特養で1117件、老健で430件あった。
介護医療院の実態調査では、既に同院に移行した施設が考える開設時の課題は「介護職員の雇用」「生活の場としての配慮」を挙げた。 (福祉新聞)