今月のニュースから
9月04日(火)厚労省19年度予算、概算31兆8956億円 介護人材の賃上げ費用は示さず
厚生労働省は8月29日、2019年度予算の概算要求の内容を明らかにした。高齢化の進展で社会保障の自然増は6000億円に上り、一般会計総額は前年度当初比2.5%増で過去最大の31兆8956億円。18年度予算は自然増を5000億円まで圧縮することが政府の方針だったが、19年度はそうした目標値を設定していない。介護や障害福祉の人材の賃上げに要する費用は明示せず予算編成過程で検討するとした。
19年度予算は、労働力人口の減少を背景とした働き方改革に関連し、介護・障害・保育の生産性向上を図ることが柱。18年度予算の2倍に当たる74億円を計上し、ロボットの開発や導入、保育所でのICT(情報通信技術)導入に力を入れる。
主に介護分野を想定した外国人労働者受け入れの環境整備も18年度比2倍の86億円を計上。また、介護人材の能力に応じた役割分担を進めるモデル事業も新たに実施する。
認知症の人と、地域で認知症の本人やその家族を支える認知症サポーター(全国に約1037万人)をマッチングする「オレンジリンク(仮称)」事業も始める。仲介役の活動費などを補助する。
児童虐待防止対策では、要保護児童の情報を関係機関で共有する仕組みを構築する。18年度より約100億円増の1655億円を計上した。障害福祉関連では芸術文化活動の促進、読書環境の向上などの予算増が目立つ。 (福祉新聞)
9月05日(水)介護の控除対象外消費税、11月にかけヒアリング - 介護給付費分科会で関係団体が意見陳述へ
社会保障審議会介護給付費分科会は5日の会合で、消費税負担に関する関係団体へのヒアリング実施要領を決めた。2014年の消費税率8%への引き上げ時における対応の評価と、19年10月に予定されている消費税率10%への引き上げに関して、全国有料老人ホーム協会など30団体に意見を求め、増税への対応策につなげる。
ヒアリングは、9-11月に月2回開催する同分科会で行われる。実施方法は、全国有料老人ホーム協会、全日本病院協会など30の関係団体から事前に提出される「意見陳述要旨」に沿って行う。
分科会では、ヒアリングと並行して消費税10%引き上げ時の対応策と介護人材の処遇改善策を議論し、12月に審議報告をまとめる予定。
各団体からの意見陳述の後に、分科会の委員が必要に応じて質問するが、陳述内容についての議論は行わない。意見陳述は書面の提出のみでも受け付け、事前の照会で「意見有り」と回答した団体にヒアリングを実施する。
ヒアリングは、介護保険事業に関わる控除対象外消費税負担の現状などに限定して行い、介護事業経営の現状などは聞かない。
分科会の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、8%への引き上げ時にどのような影響があり、10%への引き上げ時にどのような影響が見込まれるか、「できる限り数字で説明いただくことが大事」と述べた。 (医療介護CBニュース)
9月08日(土)避難所での認知症支援、どうすれば 厚労省がガイド公表
■暮らしの情報 北海道地震
【避難所での認知症の人への支援】
厚生労働省は、「避難所での認知症の人と家族支援ガイド」を公表している。今回の地震を受け、避難所での掲示や配布をツイッターで呼びかけている。
ガイドでは、環境作りの必要性を訴える。認知症は急激な環境の変化に対応できない病気のため、介護している家族と一緒に避難所の隅で、パーテーションなどで仕切った空間を作ることが必要。専用のおむつ交換や排泄(はいせつ)のスペース、落ち着く静かな環境作りも大切だという。
周囲の理解も欠かせない。話すときは同じ目線で、前からゆっくりと話し、せかさずゆっくり耳を傾ける。家族にも声かけをして、協力する必要性を指摘する。
東日本大震災の避難所アンケートでは、認知症の人が避難所で生活できる限界の日数は3・11日だった。そのため、2次避難所となる福祉避難所に移動する準備を早期にしておくことが大切だという。 (朝日新聞)
9月12日(水)介護福祉士養成校の入学者が最少、留学生は倍増
介護現場で指導的役割を担う介護福祉士を養成する学校への今年度の入学者数が過去最低を更新する一方、外国人留学生が倍増し、全体の約6分の1を占めることが、日本介護福祉士養成施設協会(東京)の調査でわかった。海外で日本の介護市場への関心が高まる一方、介護職を目指す日本の若者の減少には歯止めがかかっていない。
協会が介護福祉士の養成課程がある全国の大学や専門学校など365校について調査、集計した。今年度の入学者数は6856人と5年連続で減少し、定員に対する割合(定員充足率)は44・2%にとどまった。
外国人留学生は前年度の約2倍の1142人に急増し、入学者全体の16・7%を占めた。出身国も20か国からと多様化し、ベトナムが542人で最も多く、中国(167人)、ネパール(95人)が続いた。 (読売新聞)
9月14日(金)老人ホーム職員2人が入所者に「死ね」 顔もたたく
愛知県北名古屋市の住宅型有料老人ホーム「アグレにじ北名古屋」で、施設の職員2人が90代の入所男性の顔をたたいたり、「死ね」などと暴言を吐いたりしていたことが、14日わかった。施設側は男性の家族らに謝罪。「再発防止を図りたい」としている。
同施設によると、男性は今年7月に入所。おむつ替えなどの介助中に、施設に勤務する看護師と介護職員(いずれも60代女性)から額を手でたたかれたり、「死ね」「寝とけ」などと威圧的な言葉を吐かれたりした。施設の元関係者が警察に相談し、発覚した。
施設側の聞き取りに対し、2職員は「行き過ぎたことをした」と暴行や暴言を認め、男性の担当を外された。施設の担当者は「大切な家族を預けていただきながら申し訳ない。二度と起きないよう努めたい」と話し、職員への指導や職場環境の改善を進めたいとしている。同施設は北名古屋市にも「虐待と思われる事案がある」と今後の対応について今月初旬に相談していた。
同施設は24時間スタッフが常駐する介護付きの有料老人ホームで2013年に開所。定員48人で、市によると8月時点で46人が入居している。 (朝日新聞)
9月15日(土)介護スタッフ確保へ、ママ支援 施設内に学童保育、子連れ勤務OK「短時間でも大事な戦力」
人手不足に悩む高齢者介護の事業所が、スタッフ確保のため、多様な子育て支援策に取り組んでいる。兵庫県加古川市内では特別養護老人ホームの中に学童保育機能を設けたり、デイサービスの事業所が職員の子連れ勤務を導入したり。各事業所で柔軟な働き方の模索が続く。
「もうちょっとで宿題終わるねん」「次は卓球しよう」。8月末、特別養護老人ホーム「せいりょう園」(加古川市野口町)の一角に、元気な声が響いた。
運営する社会福祉法人「はりま福祉会」が夏休み、老人ホームの中に小学生向け「キッズクラブ」を設けた。学童保育の基準に照らし、幼稚園教諭などの有資格者を支援員として雇用。キッズクラブでは宿題、習字、読み聞かせなどのプログラムがあり、地域の児童5人、職員の子ども12人が利用した。
全職員約170人のうち約100人が非常勤で、その約7割が女性だ。渋谷哲理事長(70)は「24時間の介護現場には分担が欠かせない。短い時間でも担ってくれる子育て世代は大事な戦力」と話す。
兵庫県内を中心に約130事業所を展開する「日の出医療福祉グループ」(同市平岡町)は5年前、デイサービスなど一部事業所で「子連れ勤務」を導入。現在は9施設で職員37人と子ども61人が活用する。11月に尼崎市で開業する施設でも子連れ勤務を始める。
7月からパート職員として、加古川市内のデイサービス施設で働き始めた女性(31)は「『子連れOK』に背中を押され、5年ぶりに仕事ができた」と制度を歓迎する。出産で病棟看護師を辞めた後、復職したくても長男(5)は待機児童の状態が続いた。口コミで制度を知り、週3日の勤務ごとに長男と長女(2)を連れて行く。
子どもたちは施設内を自由に動き回る。利用者と一緒に料理をしたり、遊んだりする子どもの姿に、女性利用者が「かわいいねえ」と目を細める。騒ぎすぎて怒られる場面もあるが、施設によると、職員の定着率が向上し、子どものいるデイサービスに好感を持つ利用者家族もいるという。
厚生労働省の推計によると、2025年度には介護職が全国で約34万人、兵庫県で約2万人不足。国も人材確保のため子育て支援施策に力を入れる。
産休・育休をカバーする代替職員のマッチング事業や、ベビーシッターへの補助。事業所内保育施設の増加も後押しする。
福祉施設と求職者のマッチングに取り組む中央福祉人材センター(東京)は「介護職員の離職理由には『結婚、出産・育児』が上位を占める。仕事と子育ての両立支援は職場選びの重要なポイント」と指摘する。
■高まるニーズの一方で 介護福祉士目指す学生激減
日本介護福祉士養成施設協会(東京)によると、介護福祉士を養成する大学や専門学校への2018年度入学者は過去最低を更新し6856人。この5年でほぼ半減した。子育て世代が介護現場で活躍する一方、介護を志す学生の減少に歯止めがかからない。
同協会は、介護福祉士を養成する学校でつくる。入学者は定員割れが続いており、定員充足率は13年度の69・4%から、18年度は44・2%に低下した。離職者対象の職業訓練を除く一般入学者は3割台にとどまる。
廃校や廃科も目立ち、学校数は10年で16%減った。協会は17年度に入学者激減対策特別委員会を設けたが「抜本的な策を打てないのが現状」という。国は学費の貸付制度を始め、卒業後に介護の仕事に就くなどの条件で返済は免除になるが、大幅な改善にはつながっていない。
兵庫県内のある福祉系大学の入試担当者は「受験生本人が介護分野を志望しても、保護者が低賃金や重労働といった先入観を持って反対するケースがある」と話す。
事業者団体の県老人福祉事業協会(神戸市)は「官民によるイメージアップが欠かせない。省力化や育児支援など各施設が取り組みを進め、業界全体を働きやすい職場にしていくことが重要だ」とする。 (神戸新聞)
9月16日(日)<終末期医療>延命中止、意思確認に力点 自民、新法検討
自民党は、終末期医療のあり方を規定した新法作成の検討に入った。終末期医療を巡っては2012年に超党派の議員連盟が尊厳死法案をまとめているが、本人の意思に反して延命措置が中止されることへの懸念が根強い。同党は、法案を抜本的に見直し、継続的に本人の意思を確認するなど手続きに力点を置いた新たな法案への練り直しに着手。与野党各党の賛同も得て早ければ来年の通常国会への提出を目指す。
末期がんや老衰により回復の見込みがない患者に対し、人工呼吸器の装着や人工透析などの延命治療を施すのは、患者の苦痛や家族の介護負担などを考慮すると必ずしも患者のためにならないとの考え方がある。一方で、現行法では医師の延命措置の中止が刑事責任を問われる恐れもあり、医療従事者を中心に法整備を求める声が出ていた。
12年の法案は「終末期」について患者が適切な医療を受けても回復の可能性がなく、死期が間近と診断された状態にある期間と定義。延命措置を中止できるのは、患者が書面などで意思を表示している場合とした。ただし、この規定に従わずに延命措置を中止することもできるとしている。
だが、終末期患者の7割は、意識不明や認知症などのため自分の意思が伝えられないとのデータもある。障害者の団体などからは「意思を示すことができない患者が尊厳死に追い込まれるのではないか」などの懸念が示された。法案は国会提出に至っていない。
そこで、自民党の終末期医療に関するプロジェクトチームは8月29日の会合で、法案をゼロベースで見直すことを決めた。
近年、医療現場では、最期の迎え方を患者本人と家族、医師らが継続的に話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)の取り組みが進んでいる。継続的に話し合うので本人の意思の変化も反映できる。
同党は新法案にACPの考え方を盛り込み、患者の意思決定のあり方の透明化を医療現場に促し、国民の理解を得たい考えだ。 (毎日新聞)
9月17日(月)老人ホーム施設長、無資格医療を職員に指示容疑
新潟県警は17日、新潟市中央区の住宅型有料老人ホーム「鳥屋野(とやの)の里」施設長で医師里方一郎容疑者(63)(新潟市西区青山新町)を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕した。
発表によると、里方容疑者は2016年9〜10月、医師や看護師の免許がなく、必要な研修も受けていない20歳代女性介護職員に、女性入所者のたん吸引やチューブでの栄養剤注入などの医療行為をさせたほか、17年10月には、30歳代女性介護職員に男性入所者の点滴の針を抜かせた疑い。調べに対し、里方容疑者は「指示してやらせた記憶はあります」と供述しているという。
捜査関係者によると、同施設では、16年12月に市の調査で違反が確認された後も、違法行為が続いていたとみられる。
施設は14年開業。13日現在12人が入所している。 (読売新聞)
9月18日(火)介護人材の賃上げへ 厚労省で具体的手法の議論始まる
厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は5日、介護人材の処遇改善に向けた議論を始めた。政府が新しい経済政策パッケージで示した「勤続10年以上の介護福祉士について月平均8万円相当の処遇改善を図る」との方針を受けたもの。どの程度の経験や技能のある職員を対象とするか、介護職員以外も含めるかが焦点となる。
パッケージは昨年12月に安倍政権が掲げる「人づくり革命」を実現させるため閣議決定された。介護人材は2025年度末までに55万人不足すると推計されており、人材確保を最大の課題とする。
処遇改善の手法としては、経験・技能のある介護職員に重点化しつつ、介護職員以外を対象とすることも含めて検討するとしていた。開始は19年10月。消費税10%への引き上げによる増収分のうち1000億円を充て、介護報酬改定で対応することも示されていた。
16年度時点で介護職員は全国に約190万人いる。そのうち介護福祉士の割合は4割。非正規職員は施設の介護職員で4割、訪問介護員で7割に上る。平均給与は産業計が36万6000円(勤続約11年)に対し、介護職員は27万4000円(約6年)。介護職員の離職率は16.2%で、理由は収入が低いことより職場の人間関係や心身の不調が多い。
それらを踏まえ委員からは、介護職員の給与を上げつつも、働きやすい職場づくりを含めた対応が必要との意見が目立った。またケアマネジャーなど他職種も含めるよう求める意見も多数出た。
厚労省は現行の介護職員処遇改善加算を拡充して対応する意向で、次回以降に具体案を示し、年内に審議報告をまとめる。
同日は消費税10%への引き上げによる負担について、介護事業者や専門職など30団体からヒアリングすることも決まった。 (福祉新聞)
9月19日(水)介護留学生倍増 労働条件の見直し急務
介護福祉士を養成する専門学校や大学で学ぶ外国人留学生が急増している。
公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」の調査によると、今年4月に入学した留学生は1142人で、前年から倍増した。全入学者の6人に1人を外国人が占めるという。
介護福祉士は、介護の専門的な知識と技術がある人を認定する国家資格。介護現場で中核的な役割が期待される。
団塊の世代が75歳の後期高齢者となる2025年には、介護人材が全国で約34万人不足すると見込まれる。介護福祉士のニーズは高まる一方だ。
留学生増加の背景にあるのは、外国人労働者の受け入れ拡大を目指す政府の方針だ。
以前は養成校を卒業しても日本で働けなかったが、16年秋に改正入管難民法が成立し、17年9月に施行。介護の在留資格が新設され、介護福祉士になれば働けるようになった。
一方で日本人入学者が大幅に減少し、5年前の半分以下になっていることも見逃せない。
介護職は仕事の負担が大きい割に、賃金が全産業平均より10万円以上低い。雇用情勢が厳しい時は介護職が仕事を求める人の受け皿になっていたが、景気回復が続いて人気は急落した。
深刻な定員割れに陥っている養成校が、生き残りをかけて留学生に活路を見いだす−。留学生の急増にはそうした事情もある。
留学生は今後も増え続けそうだが、介護職が外国人による安い労働力に置き換えられ、固定されることにならないか。
人手不足の解消を急ぐあまり、働く人の環境整備がおろそかになってはならない。介護人材の確保に向け、賃金など働く条件の見直しが急務だろう。
少子高齢化や人材不足は日本だけの問題ではない。人材獲得を巡る国際的な競争は激しくなってきている。
ドイツは介護分野の担い手を東欧諸国に頼っていたが、最近は英国や米国との奪い合いになっている。香港やシンガポール、台湾は、フィリピンやインドネシアなどからの人材確保に乗り出した。
日本では、外国人労働者政策に関して政府の腰が据わっていない。取り組みは遅れていると言わざるをえない。
外国人労働者にとって魅力ある国になるよう環境整備が必要だ。それには生活者として受け入れる視点が欠かせない。 (京都新聞)
9月20日(木)特養の負担軽減制度、実施要綱を改正 生活保護基準の見直しに対応 厚労省
今年10月から生活保護の基準が変わり、新たに受給者の対象から外れる人が出てくる。ボーダーラインにいる当事者の暮らしが急に厳しくなり過ぎないよう、国は社会保障の一部の制度で影響の調整を図る方針だ。
このうち介護では、社会福祉法人が特養などの利用者の負担を軽減する制度を改める。これまで居住費を“ゼロ”としていた生活保護の入所者について、基準の変更により受給者でなくなっても引き続き支払わなくて済むように見直す。
今回見直される制度は、社会福祉法人が運営するサービスの利用者を支援するもの。対象は収入や資産が少なく生計が困難とみられる人だ。生活保護の受給者の場合、本来なら自己負担が求められる居住費の全額が支給されることになっている。生活保護基準の見直しは5年に1度。政府は昨年12月に最大で5%の引き下げを決めた。引き下げは来月から3年をかけて段階的に行われる。これにより収入が基準を上回り、新たに受給者の対象から外れる人も生じる。 (医療介護CBニュース)
9月27日(木)入所者を殴った疑い、グループホーム職員を逮捕 仙台
勤務するグループホームの女性入所者を殴って骨折させたなどとして、宮城県警は27日、仙台市宮城野区福田町2丁目、介護職員大野雅英容疑者(28)を傷害の疑いで逮捕したと発表した。殴ったことを認め、「夜勤に疲れていた」と話しているという。
仙台東署によると、大野容疑者は26日午前5時5分ごろ、夜勤に入っていた同区新田3丁目の「グループホーム東仙台」で、女性入所者(86)の左脇腹を十数回、顔を数回殴り、左肋骨(ろっこつ)骨折や顔面打撲などの重傷を負わせた疑いがある。
施設の別の職員が女性の異変に気付き、市内の病院に搬送。同日午後1時ごろ、「他害の可能性がある」と病院から署に通報があった。女性の命に別条はないという。
仙台市にも施設側から連絡があったといい、実態を調査した上で行政処分を出す方針。 (読売新聞)
9月29日(土)特養に介護職として就職したら100万円 宮崎県諸塚村が発表 10月から募集へ
「我々の村のような中山間地域では募集をかけても人が集まらない。抜けた職員の穴が埋まらない」。担当者はそう話している。
宮崎県の諸塚村が、村内唯一の特別養護老人ホームで働いてくれる介護職員の確保に向けて、就職した人に5年間で100万円を支給すると公式サイトで発表した。100万円の高額補助は全国でも異例。対象者に移住を求めないことも珍しく、村外から施設に通うこともできる。
募集は10月1日から開始する。費用を盛り込んだ今年度の補正予算案が定例議会で可決された。
条件は勤続5年。55歳以下。ヘルパーや介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士、看護師などの有資格者だけでなく、これから初任者研修や実務者研修を受けて介護福祉士を目指す意思のある人も応募できる。仕事はあくまでも介護職員。「自然と共に生きる」がキャッチコピーの「もろつかせせらぎの里」が職場となる。
100万円は5年間に分けて支払われる。就職時に一時金として10万円、1年目が終わるとさらに10万円。以後、2年目、3年目と20万円ずつ支給されていく。諸塚村は「詳細は村役場住民福祉課までお問い合わせください(0982−65−1119)」と呼びかけている。
公式サイトによると諸塚村は「林業と椎茸の村」。人口は1605人で世帯数は680。諸塚山や黒岳など美しく豊かな自然も魅力だ。 (介護ニュースサイトjoint)
9月29日(土)札幌市の福祉避難所公表、施設側が懸念 「殺到したら対応できない」 胆振東部地震
市民と施設 公表への賛否が分かれる
胆振東部地震で、支援が必要な高齢者や障害者らを受け入れる「福祉避難所」を札幌市が市内の福祉施設に開設しながら公表していなかった問題で、利用する側の市民と、受け入れ側の施設とで公表への賛否が分かれている。障害者らは利用しやすいよう、施設名の公表を求めているのに対し、施設側は「一般の避難者が殺到したら対応できない」と不安を訴える。
候補となる施設の事前公表も行っていない
福祉避難所は、高齢者や障害者ら、災害時に支援が必要な人たちの避難所で、市と協定を結んだ市老人福祉施設協議会(市老施協)や、道老人保健施設協議会(道老健協)を構成する施設など230カ所から指定される。災害発生後に、施設内の安全や受け入れ態勢を確認してから指定する。
市は福祉避難所に指定した施設を公表せず、候補となる施設の事前公表も行っていない。福祉避難所に利用を希望する人が殺到するのを防ぐためで、支援が必要な人もまず一般の避難所に行き、必要なら福祉避難所に移る仕組みだ。胆振東部地震で、市は福祉避難所2カ所を開設し、一般の避難所から2人を移したが、開設を発表しなかった。
「市の調整が必要」
地震後、障害者や難病患者らからは「一般の避難所は人があふれており、行けない」「福祉避難所に行きたかったが、情報がなく、避難を諦めた」と公表を求める声が上がり、秋元克広市長は20日の記者会見で「介護が必要な弱者のため、さまざまな検討が必要」と述べた。
だが福祉避難所となる施設側は、災害時に出勤できる職員が限られ、避難者の受け入れには限界がある。災害時の混乱などが加わって入所者のケアで手いっぱいになる恐れもある。市老施協の加藤敏彦会長は「公表するなら、実際に福祉避難所が開設できるのか、何人受け入れられるかを確認して公表してほしい。いずれにしても市の調整が必要」と指摘する。 (北海道新聞)
9月29日(土)<厚労省>「混合介護」に初指針 犬の散歩や掃除もOK
厚生労働省は28日、介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」に関する指針を初めて策定し、都道府県に通知した。自治体によって判断がばらついていたことから、政府の規制改革推進会議が明確化などを求めていた。
要介護者のための調理や掃除は介護保険が適用され、サービス料の1〜3割負担で利用できる。一方で、介護保険が使えない家族への食事提供や犬の世話などを求められることがある。厚労省は、こうした保険外サービスに介護報酬が支払われたり、サービスが過剰に提供されたりする恐れがあるとして、保険外のサービスを明確に分けるよう自治体に求めてきた。
ただ、具体的な指針がなく、市区町村により判断が分かれていた。政府は昨年6月、規制改革推進会議の答申を受けて閣議決定した「規制改革実施計画」に「ルールの明確化」を盛り込んだ。厚労省はこれを受けて通知を策定した。
通知は、介護サービスの前後や途中に保険外サービスを組み合わせて提供することは可能と明示した。例えば、要介護者宅をヘルパーらが訪問し、部屋の掃除や調理をする場合、サービス開始前に犬の散歩をしたり、調理の前に家族の部屋を掃除したりすることは認め、別料金を自費で負担するとした。
また、日中に介護施設で過ごすデイサービスなどの際、施設での予防接種や散髪、夕食用の弁当購入、送迎途中の買い物の同行も自費での利用なら認める。
通知は、利用者保護のために事業者に対し、保険外サービスの内容や料金を文書化して利用者の同意を得ることや、介護サービスの利用料と分けて料金請求することなどを示した。
一方、規制改革実施計画では、要介護者と家族の食事を同時に作るなど介護サービスと保険外サービスの同時提供や、介護職員の指名料の導入も検討課題としていた。同時提供によって保険外サービスの利用が増え、介護事業所の収益が上がるとの意見がある。
しかし、厚労省は「介護保険の目的にそぐわないサービス提供を助長するおそれがある」などとして通知で示さなかった。 介護大手の担当者も「保険外サービスは自己負担が重く、利用者はそれほど増えないのではないか」と話している。 (毎日新聞)